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わかりやすいように、あいまいな用語の使い方をしている部分があります。用語の定義は専門書で確認してください。
日本医療安全学会による学会認定の「高度医療安全推進者」資格取得のための受講必須科目は以下の8科目。対象者は、臨床現場経験年数が10年以上有する全国の医師、歯科医師、看護師、薬剤師などの医療有資格者(事務職員は含まない)で、かつ日本医療安全学会の会員。
- ・医療安全基礎講座
・医療安全倫理・モラル研修会
・医療安全教育セミナー(実践編)
・医療安全教育セミナー(事故原因分析編: ヒューマンファクターとリスクアセスメント)
・臨床安全コミュニケーター(基礎編)(認定試験あり)
・臨床安全コミュニケーター(クライシスコミュニケーション編)(認定試験あり)
・チーム医療安全研修会(認定試験あり)
・医療事故調査セミナー
当クリニックの院長は8科目のうち5科目を履修しました。
用語
インシデント
インシデントとは、患者の皆様の診療やケアにおいて、本来のあるべき姿からはずれた行為や事態の発生を意味します。また、患者の皆様だけではなく訪問者や医療従事者に実害の発生した事例や実害をもたらす可能性があったと考えられる状況も含みます。
過失の有無を問いません。「患者に実害がなかったもの」及び「実害があったもの」の両方を含みます - 産業医科大学病院から引用。
ヒヤリ・ハットとは、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見をいう。文字通り、「突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりするもの」である - wikipediaから引用。ですから、“インシデント”と“ヒヤリ・ハット”は、意味が少し異なります。
厚生労働省の解釈:「インシデント」は、日常診療の場で、誤った医療行為などが患者に実施される前に発見されたもの、あるいは、誤った医療行為などが実施されたが、結果として患者に影響を及ぼすに至らなかったものをいう。本検討会議では、同義として「ヒヤリ・ハット」を用いる。
(Dr井上の意見: この厚生労働省の解釈は、欧米でのインシデントの意味と少し異なるらしい)
アクシデント
アクシデントとは、医療行為を通じて患者の皆様に実害が発生したものを意味します。過失の有無は問いません。疾病そのものではなく医療通じて患者に発生した合併症、偶発症、不可抗力によるものも含みます - 産業医科大学病院から引用。
厚生労働省の解釈:「アクシデント」は通常、医療事故に相当する用語として用いる。本検討会議では今後、同義として「事故」を用いる。
(Dr井上の意見: この厚生労働省の解釈は、欧米でのアクシデントの意味と同じなの?)
オカレンス
- オカレンスとは、医療行為に関連した合併症や副作用のことです - 産業医科大学病院から引用。
リスクアセスメント
- リスクアセスメント(英: Risk assessment)とは、リスク特定、リスク分析、リスク評価を網羅するプロセス全体を指す。
- 1.リスク特定 (risk identification) - リスクを発見し、認識し、記述するプロセス
2.リスク分析 (risk analysis) - リスクの特質を理解し、リスクレベルを決定するプロセス
3.リスク評価 (risk evaluation) - リスク(とその大きさ)が受容可能か(許容可能か)を決定するためにリスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセス - wikipediaから引用
通常は、リスクアセスメントの後で、リスク対応をする - wikipediaから引用。
・リスク対応 (risk treatment) - リスクを修正するプロセスリスク対応の手段には、リスク源の除去、起こりやすさの変更、結果の変更、他者とのリスクの共有、リスクの保有などがある。
・残留リスク (residual risk) - リスク対応の後に残るリスク
・リスク基準 (risk criteria) - リスクの重大性を評価するための目安とする条件
・リスクレベル (level of risk) - 結果とその起こりやすさとの組合せとして表されるリスク(または組み合わさったリスク)の大きさ - wikipediaから引用
SHELモデル
- 人間の能力や特性そしてその周辺の要素・環境を語るうえで欠かせないものとして、SHELモデルが挙げられる。ヒューマンファクターの概念を図示することにより、理解しやすくすることを意図したものである。
モデルの中央に人間(当事者、本人)が居り、その周囲4つの要素が配置される。4つの要因が影響し合っていることを表しており、当事者が周囲の環境を使いやすく配慮するといった、人間中心の考え方と捉えることができる。
S : Software (マニュアル、作業標準など)
H : Hardware (設備、装置、機械など)
E : Environment (作業環境)
L : Liveware (人間、作業者) ※中央は当事者で、周囲は関係者)
Team STEPPS
- Team STEPPS (Team Strategies and Tools to Enhance Performance and Patient Safety, 医療のパフォーマンスと患者安全を高めるためにチームで取り組む戦略と方法)は、さまざまな職種で構成される患者さまのケアチームが、1.リーダーシップ 2.状況モニタリング 3.相互支援 4.コミュニケーション(順不同)を習得し実践することによって、医療のパフォーマンスと患者安全を高める戦略と方法。
1.リーダーシップ (Brief, Huddle, debrief)
2.状況モニタリング (STEP, crossmonitor)
3.相互支援 (Two-Challenge-Rule, CUS, DESK)
4.コミュニケーション (SBAR, Call out, Check-back, Hand-off)